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注目の栄養素:セレン②

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セレン欠乏症の多くは、医原性です。

セレン欠乏症の診療指針2016に基づいた経腸栄養管理

●男女差:
明らかな差は見られない
●年齢:
広範囲にわたる
●基礎疾患:
小児では重症心身障害者(児)の経管栄養。成人では炎症性腸疾患症例、短腸症候群、機能性腸閉塞、腸管手術後の静脈栄養・経腸栄養患者に多く見られる。

セレン欠乏を起こす主な要因とその機序

要因 機序
・セレンを含有していない経腸栄養剤、特殊ミルク、治療用 ミルク
・完全静脈栄養の患者でセレン補充を行っていない場合
摂取不足
透析 低栄養、蛋白制限などの食事制限、吸収低下、消費亢進、透析廃液中への排出
拡張性心筋症 酸化ストレスの亢進
神経性食欲不振症 栄養不良、蛋白の摂取不足
C型慢性肝炎・肝硬変 肝線維化の進展、酸化ストレスの亢進
血清セレン測定 ー血液化学検査[算定要件]ー

長期静脈栄養管理若しくは長期成分栄養剤を用いた経腸栄養管理を受けている患者、人工乳若しくは特殊治療用ミルクを使用している小児患者又は重症心身障害児(者)に対して、診察及び他の検査の結果からセレン欠乏症が疑われる場合の診断及び診断後の経過観察を目的として実施した場合に限り算定する。

●定期的なモニタリングが望まれる。

経腸栄養管理時のセレン欠乏症の対策と予防

長期静脈栄養管理若しくは長期成分栄養剤を用いた経腸栄養管理を受けている患者、人工乳若しくは特殊治療用ミルクを使用している小児患者又は重症心身障害児(者)に対して、診察及び他の検査の結果からセレン欠乏症が疑われる場合の診断及び診断後の経過観察を目的として実施した場合に限り算定する。

治療
セレン欠乏症への対策は、亜セレン酸ナトリウムによるセレン補充療法を行います。
予防
経腸栄養管理時のセレン欠乏予防として、当初よりセレンを含有する経腸栄養剤を使用する、
または切り替える方法があります。
セレン欠乏症の診療指針2016

診断基準

1
下記の症状/検査所見のうち1項目以上を満たす
1) 爪・皮膚 爪白色化・爪変形、皮膚炎、脱毛・毛髪の変色
2) 心筋障害 心筋症、虚血性心疾患、不整脈、頻脈
3) 筋症状 下肢の筋肉痛、筋力低下、歩行困難
4) 血液症状 赤血球の大球性変化、大球性貧血
5) 検査所見 T3低値、AST・ALT上昇、CPK上昇
6) 心電図変化 ST低下、T波陰転化
2
上記症状の原因となる他の疾患が否定される
3

血清セレン値

4
セレンを補充することにより症状が改善する

Definite(確定診断):
上記項目の1.2.3.4をすべて満たすもの。
Probable:
セレン補充前に1.2.3を満たすもの。セレン補充治療の適応となる。
血清セレン値の年齢別基準値

セレン欠乏症予防 セレンの推奨量(耐容上限量)

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