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注目の栄養素:フラクトオリゴ糖

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FOS(フラクトオリゴ糖)による腸内環境変化

1983 年、わが国において世界で初めて合成・精製されたFOS(フラクトオリゴ糖)は難消化性であり、腸内環境の変化に深く寄与することが知られている。今回は、そのFOS の概略について言及する。

FOSとは?

FOSとはfructo-oligosaccharides(フラクトオリゴ糖)の略で、グルコースにフルクトースを2~4分子結合させたものである。
食品(玉ねぎ、大麦、小麦、バナナ、にんにく、アーティーチョークなど)に含まれる天然成分であるが、人工的には酵素(β- fructosyltransferase)の作用でショ糖にフルクトースを結合することで生成される(図1)。

FOSの作用

FOSは、ヒトの消化酵素で消化されないが、大腸で善玉菌であるビフィズス菌のエネルギー源になる。
また大腸で発酵して、短鎖脂肪酸(SCFA:short-chain fatty acid)である、酢酸、酪酸(ブチル酸)、プロピオン酸に分解され、腸内環境が酸性となることにより善玉菌が増加し、悪玉菌(ウェルシュ菌など)は減少する。この腸内細菌叢の変化は1日1gの摂取でも認められた(図2)1)

FOSは、摂取後そのまま大腸に到達してビフィズス菌などの腸内の善玉菌を増殖させる働きのあるため、プレバイオティクスに分類される。
また便中腐敗物質(スカトール、インドール、クレゾール)の産生が制御され、便臭が低減する(図3)。

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